2024年の最新トレンド:令和5年度租税滞納状況の現状
令和5年度の租税滞納状況について、国税庁が公表した最新のデータを基に、具体的な数字を用いて解説します。
以下のポイントを通じて、滞納状況の現状とその背景を理解しましょう。
1. 滞納残高の増加
滞納整理中のものの額: 令和5年度末の滞納整理中のものの額は9,276億円で、前年度比で**3.7%**増加しました。
2. 新規発生滞納額の増加
新規発生滞納額: 令和5年度の新規発生滞納額は7,997億円で、前年度比で802億円(11.1%)増加しました。
この増加は、特に消費税の新規発生滞納額が前年度比20.7%増加したことが要因となっています。
3. 税目別の状況
- 消費税: 消費税の新規発生滞納額は4,383億円で、全体の約55%を占め、19年連続で最多となっています。
消費税の整理済額は4,212億円で、滞納残高は5.0%増の3,580億円と2年ぶりに増加しました。 - 所得税: 所得税の新規発生滞納額も前年度比4.3%増加しました。
4. 整理済額と滞納発生割合
- 整理済額: 令和5年度の整理済額は7,670億円で、前年度比で8.0%増加しました。
- 滞納発生割合: 滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は前年度と同じく1.0%で、低水準で推移しています。
滞納の未然防止と整理促進
国税庁は、滞納の未然防止と整理促進のための様々な取組みを実施しています。
- 納税に関する総合案内: 国税庁ホームページに「納税に関する総合案内」を開設し、納税手続に関する情報を提供しています。
- 集中電話催告センター室: 全国の国税局(所)に設置している「集中電話催告センター室」での整理を実施しています。
- 訴訟提起: 処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となって訴訟を提起しています。
- キャッシュレス納付の推進: 納税者利便の向上と現金管理等にともない社会全体のコストを縮減する観点から、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいます。
結論
令和5年度の租税滞納状況は、滞納残高が増加し、新規発生滞納額も増加していることが明らかです。
特に消費税の新規発生滞納額が大幅に増加し、全体の滞納額に影響を与えています。
国税庁は、滞納の未然防止と整理促進のための様々な取組みを実施しつつ、納税者の協力を求めています。