相続が発生した際には、さまざまな法的手続きや書類の準備が必要です。以下は一般的な相続手続きの流れと必要書類です。
1. 相続の開始（死亡の確認）
- 死亡診断書の取得：医師から「死亡診断書」あるいは「死体検案書」を受け取ります。
- 死亡届の提出：死亡診断書とともに市区町村役場に死亡届を提出します。
2. 相続人の確定
- 戸籍謄本の取得：被相続人（亡くなった方）の出生から死亡までの戸籍謄本を収集します。これにより、相続人を確定します。
- 被相続人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 被相続人の住民票除票
3. 遺言書の確認
- 遺言書の有無確認：被相続人が遺言書を残しているか確認します。
- 自筆証書遺言：家庭裁判所で検認手続きが必要です。
- 公正証書遺言：検認手続きは不要です。
4. 難証物件のリストアップ
- 財産の確認：被相続人の財産をリストアップします。以下の項目が含まれます。
- 金融資産（預貯金、株式、投資信託など）
- 不動産（自宅、土地、建物など）
- 動産（自動車、家具、貴金属など）
- 負債・債務（借入金、ローンなど）
5. 財産評価
- 財産の評価：不動産や金融資産などの評価を行います。
- 不動産の固定資産税評価額
- 金融機関の残高証明書
6. 各種届け出・手続き
- 金融機関への通知：相続人が金融機関に被相続人の口座凍結を依頼します。
- 不動産登記の名義変更：法務局で不動産の相続手続きを行います。
- 登記申請書
- 遺産分割協議書（相続人全員の署名と実印）
- 相続関係説明図
- 保険金の請求：生命保険会社に保険金の請求を行います。
- 保険証書
- 死亡診断書
7. 遺産分割協議
- 相続人間で協議：相続人全員が話し合い、財産の分割方法を決定します。
- 遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印
8. 相続税の申告と納付
- 相続税の申告：課税対象となる場合、10ヶ月以内に税務署へ申告します。
- 相続税申告書
- 財産目録
- 固定資産評価証明書
- 各種証明書（戸籍謄本、住民票など）
9. 各種名義変更手続き
- 不動産の名義変更：法務局で登記手続きを行います。
- 自動車の名義変更：運輸支局で手続きを行います。
- 株式・証券の名義変更：証券会社で手続きを行います。
補足：専門家の活用
相続手続きは複雑で多岐にわたるため、専門家（司法書士、税理士、弁護士）に相談することをおすすめします。
特に相続税の申告や遺産分割協議などは、専門知識が求められることが多いため、適切なアドバイスを受けることで手続きをスムーズに進めることができます。
以上が相続時に必要な手続きの一般的な流れです。
各手続きには一定の期限が設定されているため、早めの対応が重要です。
